☆利用規約 ・Twitterなどのネット上にこのシナリオのURLのみを貼ることを禁止します。  このような行動を発見した場合、然るべき処置を取らせていただくのでご了承ください ・シナリオのネタバレを公開するのはお控えください。  黒幕の存在等を出す場合、他者が見られないようにするか、ネタバレ注意と一言添えるなりの配慮をお願いします。 ・これらの処置があまりにも取られていないと判断した場合、予告なしに非公開にする可能性があります。 ・シナリオ改変、動画使用などはオーケーです。  なお、このシナリオを使用した際のトラブルの責任は一切負いません。 ・使用報告や質問等何かあればTwitterへ  ネタバレ部分の質問でしたら、DM等のご使用をお願いします  雪空鈴音のTwitter→@1104rika08021 あらすじ  いつものように寝て、いつものように目を覚ました。  そのはずだった。  気が付けば、町に人はいない。手の中にある紙に書かれている言葉は――「カンケリ」 推奨技能 聞き耳 目星 隠れる 推奨人数 2〜4人 ロストの可能性あり プレイ時間 1〜3時間 舞台  探索者達は同じ町に住んでいる、あるいは旅行にきた、という設定です。  その町というのは、四つの大きな公園があることで有名な町です。  川の近くにある川の公園。  森の近くにある森の公園。  住宅地近くにある住宅地の降園。  高台にある高台の公園。  探索者達はこの場所と、この町にある大きな図書館を中心に探索することでしょう。 KP向け情報  全ての元凶は、ハスターを信仰する魔術師である。  この魔術師はビヤーキーを召喚し、彼に生贄を捧げるため人を魔術で作り上げた町に誘い込んだのだ  魔術で作り上げた町を維持するため、一見なんてことのないカンを利用して魔法陣を作り上げた。  そして、召喚されたビヤーキー達はただ生贄を食らうだけの状況に飽きてきていた。  ビヤーキー達は、カンを蹴りながら「カン蹴った」と唱えることにより空間を維持する魔術が解けるようにしたのだ。  そして、この魔術で作られた町を訪れる人がそれに気付くように細工をしたのだった。  そうして、カンを蹴れば出られると希望を抱いた生贄を絶望へ落とすように喰らうのだった。  その状況に焦ったのが魔術師。  魔術師は、万が一空間を維持出来なくなったらと考え、ダミーのカンを、他の場所に置いたのだった。  それによってビヤーキーも楽しんで生贄を食らえるような状況を作り上げたのだったが。  誰かが誰かの為に脱出出来る方法のヒントを残し、そしてその誰かも脱出するヒントを次に来る誰かのために残した。  探索者達が訪れるのは、たくさんの脱出するヒントが出てきたタイミング。  残されたヒントを集め、そしてこの町を維持する魔術を解き脱出するのが探索者の目的である。  なお、ここの神話生物がビヤーキーだと気付くPLが、ビヤーキーを倒そうとするかもしれない。  が、召喚されたビヤーキーは何千といるため、勝つのは無理なことだろう。  戦闘をしようとするのなら、ロストすることを伝えると良いだろう。  探索者達は、図書館でまず合流することだろう。  そして、四つの公園にヒントがあると悟り、情報を集めに;;lいく。  情報を集めた結果、音が重要であることと、四つの公園のどこかにカンがあることなどが分かるだろう。  正解のカンが置いてあるのは、高台の公園である。  なお、缶蹴りのルールは、地域に差があるかと思われます。  ここでは、基本的に缶を蹴った際に「かんけった」と言うのがルールとさせていただきます。  KPは、缶蹴りのルールについてPLが悩んだタイミングでPCにアイディアを振ってもらい、このルールを出すと良いでしょう。  ☆特殊ルール  このシナリオでは、場所を移動する際にビヤーキーに見つからないかどうかのロールを行うことになります。  まず、探索者は全員幸運を振ります。  幸運に成功すれば問題なし。  幸運に失敗した場合、ビヤーキーと遭遇します。  聞き耳で、事前に羽音を聞くことが出来るかもしれません。  このタイミングで隠れるロールに成功すれば、ビヤーキーを見ることも、見つかることもありません。  ただし、聞き耳、あるいは隠れるに失敗した場合、ビヤーキーと対面します。  ここでDEX×5に成功、あるいは仲間からのなんらかの支援が受けられないとなりますと、後述の☆つかまちゃった でロストです。  なお、PLが逃げる際に工夫をこらすようでしたら+補正を差し上げることをお勧めします。  なお、例え一匹だけだとしてもビヤーキーと戦うのは得策ではないことを事前に告げると良いでしょう。  ビヤーキーと遭遇した場合は、以下のような描写をすると良いでしょう 〜  そこにいたのは、羽の生えた化け物でした。  その凶悪な姿は、見ているだけで嫌悪感、そして恐怖を味わいます。  それに見つめられただけで、恐怖に心を支配されます。  SANチェックです。0/1D6でどうぞ。 〜 導入  探索者達はいつも通りに日常を過ごし、心地よい睡魔に誘われ就寝することでしょう。  そして、あなたたちがいつものように起きた瞬間です。  違和感を覚えました。  違和感の原因はすぐに分かりました。  静かすぎるのです。  あなたの家に、誰もいません。テレビも、付けても砂嵐のみ。携帯で友人や家族に連絡しても、繋がる気配すらありません。  家の外を見たって、人っ子一人いません。  異常な状況に怯える、あるいは呆然としているあなたは、そこでようやく自分が不思議な紙きれを握ってることに気が付きます。  紙切れにはこう書かれています。 「君たちの世界ではなんて言ったっけ?  ああそうだ思い出した。カンケリ、だ。  鬼は我々。  それ以外は君たち。  頑張って隠れなよ。  頑張って脱出するヒントを見つけなよ。  我々が味わいたいのは、抱いた希望が絶望に変わる瞬間の君たちなんだから」  そして、その下には筆跡の変わった真っ赤な文字でこう書かれています。 「図書館にある」 KP向け情報  紙切れに最初に書かれていたのは、ビヤーキー達の言葉です。  その下にある赤い文字は、既に死亡した生贄達が残した図書館にヒントがある事を残したものです。  ここで探索者達は、図書館に向かい、そして探索者全員が合流することでしょう。  最初の移動ですので、移動ルールを適用しないのもありですがKPさんの判断に任せます。 ☆図書館  図書館の中は静まり返っています。  当然のように人はいません。不気味なほどの静寂が、図書館を包んでいます。  図書館に変わりはありませんが、ふとあなたは机の上に一枚の紙きれがあることに気が付きます。 「私はもう駄目だろう。  だからせめて書き残す。  ここに来た者たちへ。  見つかるな。見つかり、追いつかれたら最後だ。  色々な場所を彷徨った結果、それは公園にあると分かった。  四つの公園の内のどこだろうか。確かめ行きたいが。  私はもう奴らに狙われている。公園に行こうと外に出たら最後だろう」  そう震えた文字で書かれています。  これを読んだ探索者は、この町出身、あるいはこの町について知識があるのでしたら四つの公園について思い出すでしょう。  この町には四つの大きな公園があります。  一つ目は、森の近くにある森の公園。  二つ目は、川の近くにある川の公園。  三つ目は、住宅地の中にある住宅地の公園。  四つ目は、高台にある高台の公園。  森、川、住宅地、高台の公園はこの町の東西南北にそれぞれあり、町の人達の憩いの場となっています。 KP向け情報  公園、図書館以外の所に行っても情報は特にありません。 →目星  図書館の奥に行くと、あなたは窓が割れていることに気が付きます。  それと同時に、あなたは窓の下の壁、そして床に広がる赤に気付くことでしょう。  それは、血でした。  赤黒い血が壁に、床に、本棚にと爆発したかのように大量に飛び散っているのです。  そして、あなたは壁や床、本棚に、人間の肉片が落ちていることにも気付いてしまいます。  SANチェックです。1/1D4でどうぞ。  この恐怖の光景に怯えると同時に、あなたは一枚の紙が落ちていることに気が付きます。 「音」  恐らく血で書かれたと思わしきそれは、その言葉のみが書かれています。 KP向け情報  ここで死んだ人は、窓からつっこんできたビヤーキーにやられました。  音、というのは、本物のカンを見つける際のヒントとなります。 →図書館  あなたが本棚を調べていると、研究ノートと書かれたものを発見します。  そのノートは何冊もあるようで、1、2、3、5と合計で四冊あります。  中を見てみれば、オカルト的なものについての見解や実験の数々が書かれていることに気が付きます。  ただ、5と書かれたものだけは、日記のようでした。 「神の使者へと捧げる場がようやく完成した。  途中で、使者の方々が脱出する希望を抱かせるような細工を入れた時には驚いたが、もう大丈夫だ。  この檻からは出られない。  ダミーも用意したし、本物を蹴る際にはあの言葉を言わないといけないように細工をした。  これで、あの方に、あの方の使者に生贄を捧げられるようになる。いあいあはすたあ!」  このノートにはこれ以降何も書かれていません。 KP向け情報  これは、元凶である魔術師が残したノートです。  ダミーがある事や、カンを蹴る際に言葉が必要であるということが探索者達に分かるでしょう。  それと同時に、何故4がないのか、という疑問を抱くことでしょう。  4は、前に来た人がヒントになると考え持ち出したので、公園を探せば見つかります。 ☆図書館を出る  図書館を出た探索者達は全員目星をどうぞ。 →目星成功  ふと、頭上に何かが通り過ぎた気がしました。  飛行機ではありません。  ヘリコプターでもありません。  言うならばならそう、化け物。  化け物が空を飛んでいたのです。  瞬間、あなたの背筋からぞっとするものが駆け寄ってきます。  常識では説明できない何かに対しての恐怖が、あなたの後ろから顔を覗かせたのです。  SANチェックです。1/1D3でどうぞ。  また、図書館を出た事により、移動ルールの説明となります。  KPさんは処理を終え次第、移動ルールの説明を探索者にすると良いでしょう。   ☆森の公園  森が近くにあるということもあり、自然豊かな公園です。  たくさんの木が植えられています。  あなたが公園を訪れると、公園の隅っこにカンがあることに気付くでしょう。 KP向け情報  探索者がカンに触る、あるいは持って行こうとするのでしたら後述の☆カンについて を参照し処理を行ってください。 →聞き耳  耳をすましてみても、何も聞こえません。  もしもこんな状況でなければ、鳥の鳴き声など聞こえても良いはずなのに、不気味な静寂だけが支配しています。 KP向け情報  もしもこの町出身者ならば、アイディアなどでいつもの公園ならば鳥の声が聞こえることを思い出すでしょう。 →目星  あなたはふと、たくさん植えられている木の方に目をやります。  と、人の手らしきものが転がっていることに気が付くでしょう。  あなたがそれに近づけば、木に寄りかかるように人が倒れていました。  いいえ。  臓物ははみ出て、目玉は転がり落ち、手足の関節などは捻じれておかしな方向に曲がっています。  まるで、玩具の人形をめちゃくちゃに振り回したかのような。  そんな異常な死体にSANチェックです。  1/1D6でどうぞ。  続いてあなたは、その死体が何かを握っていることに気が付きます。  ノートの切れ端を破ったような紙です。 「忘れないためのメモ。  どうして揺れる。」 KP向け情報  これは、元凶である魔術師が、自分用に残したメモです。  この死体は魔術師のメモを見つけ、持っていたのですが、ビヤーキーに遊ばれて死にました。  どうして揺れるのどうしては、風だから。風が吹けば、軽いものは揺れます。  つまり、風の強い高台の公園に、本物のカンがあるのです。 ☆川の公園  すぐ近くに川が流れています。  こんな異常な状況だというのに、川は穏やかに流れています。  と、思った矢先です。  川の水が赤く染まりました。  赤いものが、大量に流れているのです。それを理解した瞬間、あなたは恐怖を覚えることでしょう。  SANチェック。0/1D4でどうぞ。  また、川の近くにカンが一つ置かれていることにも気が付きます。 KP向け情報  探索者がカンに触る、あるいは持って行こうとするのでしたら後述の☆カンについて を参照し処理を行ってください。 →聞き耳  川の流れる音だけが、淡々と聞こえます。 →目星  ふと、公園の隅に一冊のノートが落ちていることに気が付きます。  表紙には血が飛び散っていますが、研究ノート4と書かれていることが分かるでしょう。 「ついに見つけた。神の使者を召喚する方法を。  そして、生贄を捧げるために空間を作り上げる方法も分かった。  自分の住む町をモデルにすれば、空間を作れるのだ。そして、生贄も呼べる。  しかし生贄達に脱出されないようにしなければならない。  どうすればいい。  ああそうだ、カンを魔法陣代わりにすればいい。  誰もカンが魔法陣だなんて分からないだろうし、カンがある事を気に留めないだろう。  なんてことだ。  召喚した使者たちに生贄を捧げていたら、飽きられてしまった。  彼らは、ビヤーキー様達は、この魔術空間に細工をされてしまった。  カンケリという馬鹿みたいな遊びを真似たものに改変されてしまったのだ。  ビヤーキー様達は脱出出来るはずがないと思っているようだが、万が一を考えて措置をした方が良いのではないか  そうなれば、急いでダミーのカンを置き、カンをただ蹴っただけではなくあるワードを言わなければならないようにしよう」  読み終えたあなたは、ふと最後のページが切り取られていることに気が付きます。 ☆住宅地の公園  住宅地の中にある公園は、たくさんの遊具に囲まれています。  あなたは、公園の隅にカンが置かれていることに気付くでしょう。 KP向け情報  探索者がカンに触る、あるいは持って行こうとするのでしたら後述の☆カンについて を参照し処理を行ってください。 →聞き耳  不気味な静寂が辺りを支配しています。  と思った瞬間でした。  あなたの耳に、人の声が聞こえました。  驚いて辺りを見回しても、当然のように周囲に人の影すらありません。  奇妙な現象にSANチェックです。0/1D3でどうぞ。 →目星  ふと遊具の近くに、一枚の上着があることに気付くでしょう。  あなたがそれを手に取るなら、ぬちゃりとした感触がします。  それは、人の心臓でした。  この上着は、心臓を内包していたのです。  さらに、この心臓がドクンドクンと静かに脈動していることに気が付きます。  SANチェックです。1/1D6でどうぞ。  上着を調べると、一枚の紙がポケットの中にある事に気が付きます。  焦ったような殴り書きがされています。 「カンケリ。  カンを蹴る際になんて言ってたっけ」 KP向け情報  これは、カンを蹴る際に「カン蹴った」と言わなければいけない事を指しています。 ☆高台の公園  町の高い位置にある公園は、町を一望出来ました。  また公園の片隅にはカンが置いてあります。 KP向け情報  探索者がカンに触る、あるいは持って行こうとするのでしたら後述の☆カンについて を参照し処理を行ってください。  探索者達は、高台の公園に着いた時点で幸運をどうぞ。 →幸運失敗  では、あなたはふとそれに気付いてしまいます。  最初は、ヘリコプターか何かかと思いました。  しかしそんなはずはないのです。この町にヘリどころか人すらいないのですから。  怪訝に思ったあなたはそれをよく見ようとして、分かってしまうことでしょう。  それは空を飛ぶ化け物でした。  ゲームに出てくる化け物のようだ、と頭の片隅であなたは思うでしょう。  けれど、ゲームに出てきた時のような高揚感もワクワク感も何もありません。  あるのは、己がなんの力も持たない一般人であるという無力感と、  あの化け物に襲われてしまったらあっという間に命の灯が消え去るだろうという恐怖だけです。  遠くから眺めているだけだというのにその恐ろしさは圧倒的でした。  SANチェックです。1/1D6でどうぞ。 KP向け情報  遠くの方で見えたのはビヤーキーです。  見えたのは一体だけですが、実際には何千という数がいます。 →聞き耳  耳をすませても聞こえてくるのは風の音だけです。  遠くの方でブランコが揺れる音が時折聞こえてきます。 →目星  あなたは、遊具の下にボロボロの紙切れが落ちていることに気が付きます。  乾いた血がこびりついており、砂まみれです。かなり長い時間放置されていたのだろう、と思うことでしょう。 「カンを蹴れるのは一度だけ。  間違ったカンを蹴れば、あいつらは襲ってくるのだろう。  友人は間違えたから殺されたのだ。  しかし正解のカンを蹴ったとして生き残れるのだろうか  もう嫌だ。家に帰りたい。  町を探索すればするほど、死体ばかりだ。  もう嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ 嫌だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 KP向け情報  これは、犠牲となった人の手記です。  カンを蹴ったとして生き残れるのか、本当にカンを蹴ればいいのかという不安を与える不安要素です。  ただのミスリードなのですが、カンを蹴る際に探索者達が警戒する要因にもなるでしょう。 ☆カンについて  カンを触る、あるいは持って行こうとした探索者に起きるイベントです。  あなたがカンを触ろうとした瞬間です。  あるいは、あなたがカンを蹴ろうとした瞬間です。  あなたは、人の声を聞きます。  それは一人や二人ではありません。  何百、何千何万といった大勢の人の声です。  若い人の声がします。  老いた人の声がします。  男の野太い声がします。  女の甲高い声がします。  その声が、全て、口をそろえて言うのです。  ――いあ、いあ、はすたあ。と。  瞬間、あなたは強烈な悪寒に襲われます。  怖い。  ただただその感情だけが、あなたの体を埋め尽くします。  それがどうしようもないほど恐ろしいものに見えました。  それがどうしようもないほど辛く感じました。  それが、それが、それが。  どうしようもないくらい、怖いのです。  SANチェックです。1/1D6でどうぞ。  もしもあなたがカンを持って行こうとしていたのでしたら、持って行くのは困難だと悟るでしょう。 ☆カンを――  PL達は、蹴るカンを決めて、そのカンのある公園まで進むことでしょう。  PL達が蹴るカンを決め、その目的の公園に着いた段階で発生するイベントです。  なお、不正解のカンを選んでいた場合は☆希望が絶望に を参照ください。  あなたたちがカンを目指していると、ふと羽音が頭上から聞こえました。  一つではありません。  何十、何百、何千という数です。  あなたたちは上を見ます。  見てしまうでしょう。  そして、愕然とします。  そこにいたのは、何百、何千という数の化け物でした。  リズミカルに羽をはばたかせ、カラスでもなくモグラでもなくハゲタカでもない。  化け物。  その言葉が相応しいのです。  それが、何千と、空を覆い尽くさんばかりにいるのです。  その化け物たちが、あなたたちを見て、笑います。  ご馳走が食べごろになった。と言わんばかりに。  SANチェックです。大量の化け物を見た事により、1/1D10でどうぞ。  ここから、カンを蹴りに行くのでしたらDEX×5に成功する必要があります。 KP向け情報  ビヤーキーの姿を一度見ている探索者は、SANチェックを少なくさせても良いかもしれません。  とはいえ、遠目で一度二度と、大量に、そして間近で自分達を見下ろされているのとでは状況が違います。  ここで探索者達は、DEX×5に成功する必要があります。  もしも一人でも失敗したのなら、☆捕まえる に。  全員成功したのでしたら☆カンケッタを参照し、処理を行ってください。  DEX×5に全員失敗したのでしたら、幸運などで対処すると良いでしょう。  なお、ビヤーキーから逃げる際に何か工夫をするのでしたら、+補正を差し上げると良いでしょう。 ☆捕まえる  あなたは、懸命に走ります。  が、狙いを定められたからでしょうか。向こうの方が早かったからでしょうか。  あなたはあっという間に化け物に追い付かれてしまいます。  ここで、回避かDEX×5をどうぞ。 KP向け情報  失敗の場合は、ロストとなります。後述の☆つかまっちゃった を参照に処理を行ってください。  成功の場合は、そのまま逃げ切れたので☆カンケッタ へ。 ☆カンケッタ  あなたは、ひたすら足を動かします。  追いつかれ、その凶悪なかぎ爪に捕まったら最期、生きて帰れることはないと分かっています。  あなたは息を切らせながら、カンの元に辿り着きます。 →カンケッタの宣言がなかった場合  カンを蹴る際に、カンケッタという宣言がないのでしたら、後述の☆つかまっちゃった になります。 →カンケッタの宣言があった  カンを蹴れば、驚くほど軽い音を立ててカンは宙を舞うでしょう。  青々とした空に向かっていくカン。  それを見た瞬間、あなたは、あなたたちは、周囲の景色がぐにゃりと歪んだことに気付くでしょう。  そして、あなたたちの意識は途切れます。 ☆結末  あなたたちは目を覚まします。  昨日寝ていた場所と全く同じ場所にいました。  部屋にわずかに差し込む光が、朝であることを告げています。  そしてあなたたちの耳に、小鳥のさえずりが、あるいは車の音が、あるいは、人の声が、聞こえます。  あなたの家に、家族がいるなら家族がいます。  テレビを付ければ、朝の番組が放送されています。  携帯で友人や家族に連絡したら、いつものように繋がります。  家の外を見るなら、通勤途中のサラリーマンや学生の姿があります。  あなたたちは、戻って来たのです。  本当の町に。 シナリオクリア報酬 不気味な町から脱出 1D6 探索者全員揃って脱出出来た 1D6 ☆希望が絶望に  間違えたカンを蹴った探索者達の結末です。  あなたたちが、目的の公園に辿り着き、カンを蹴りました。  驚くほど軽い音をたてて、カンは飛んでいきます。  ただそれだけでした。  気が付けば、あなたたちは化け物に囲まれていました。  何十、何百何千という数の化け物は、あなたたちをじっと見て。  その恐ろしいかぎ爪を伸ばしました。  あなたたちは悲鳴をあげたでしょう。  しかし、残念なことにその悲鳴を聞く人間は、あなたたちを助けてくれる人間は、  どこにもいません。 ロストエンド ☆つかまっちゃった  あなたたちに、そのかぎ爪が伸ばされました。  驚く間もなく、あなたは激痛に襲われます。  その激痛は止むことなく、むしろさらに強くなっていきます。  自分の体から内臓が引きずり出されます。  足や腕は、おかしな方向に曲げられます。  遠くなっていく意識の中、あなたが最後に見たのは、それはそれは楽しそうな化け物の姿でした。 ロストエンド 制作者:雪空鈴音