天羅ED 崩れていく緋藤家の屋敷を、脱出した者達全員で山中から見下ろす。 桐丸 > 「事の顛末をお話ししましょう。    ある日、羅漢様は吉寝様にサムライ化の手術を頼みました。  今の世は乱世、周辺の領地にもヨロイやサムライ等軍備の増強を測る者が多く、  力なき者が生き残る事が出来なかったからです。    そして、ご存じの通り手術は失敗し、羅漢様は暴走しました。  その時に屋敷の者の半分以上は命を落としました。    私にはあんな姿になろうとも羅漢様を殺すことが出来なかった。  命を絶たず、羅漢様を牢に閉じ込めておいたのです。    その後、  吉寝様は羅漢様を治す方法があると告げられ、私はその口車に乗せられてしまったのです。  最初は吉寝様も羅漢様の治療を考えてくれていると思ったのですが、それは違った。  莫大な金が必要だと租税を引き上げ、あのキツネ女は我が領民の金を食い潰し、自分の勝手な研究を始めたのです。    それに気付いた時にはもう既に時遅し、  キツネ女は羅漢様を操り人を殺し、羅漢様にさらなる呪文を書き施してゆきました。  だがその時の私には人を殺す覚悟がなかった。    私がキツネ女の始末を考えた1週間ほど前、  キツネ女にいいように操られる羅漢様を見るのはもう限界だった。  しかし奴はその危険がある事すら想定済みだったのです。    屋敷にいる時は羅漢様を隣に置き、  旅の中では常に護衛をつけ、  キツネ女の屋敷は武力を持った家の者で固められ、  私が手を出すチャンスはなかった。    だからこそ、私は今回の旅でキツネ女の暗殺を計画したのです。  菱屋は金さえ出せば要人の暗殺を遂行する宿。  私は事前に依頼を出し、キツネ女が来た時に暗号と依頼金を渡す手筈だったのです。    あなた達には何も言わず迷惑をおかけしましたが、  キツネ女の監視の目がある道中では真実を伝えることが出来なかった。    全ては私の弱さが招いたこと。  ただ、皆さんのおかげで羅漢様を元の姿に出来たこと感謝の言葉だけでは言い表せません。 」 羅漢 > 「  桐丸、もっと近う寄れ。  私をすぐに殺さなかった罰を与える。    私を救い出すことに協力してくれた者達には後で私から褒美を出すぞ。 」 桐丸 > 「  はい、何なりと。 」 羅漢は桐丸の腕を力強く引き、そのまま二人は幸せなキスをして終了。 長い間お疲れ様でした。